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患者さんを中心のがん医療を実現していくには、

チーム医療の一員として果たす薬剤師の役割はとても重要です。

 

現在は、がん専門薬剤師や、がん薬物療法認定薬剤師など、

がん薬物療法に深く関わる事ができる薬剤師の養成や認定が行われていますが、

がん医療のチームの一員としての薬剤師の役割を考えるにあたり、

その基盤にある薬剤師としての役割を考える事が大切です。

 

そこが薬物医療の基礎となるからです。

 

薬剤師の役割《がんチーム医療》

 

薬剤師の役割と使命とは

薬剤師の使命や役割は、日本薬剤師会が定める《薬剤師綱領》や

WHO(世界保健機関)が定めた

ファーマシューティカル・ケアの定義で定めたものがあります。

 

薬剤師は、チーム医療の一員として、

疾患の進行度などの診断を行ったり病態把握に関する医師との確認作業や、

患者さんの症状を含めたうえでの看護師の方々のアセスメント、

そして患者さんの気持ちを優先し、患者さんを含めたチーム医療で

総合的に提供を行う薬物療法を決めていく事が、

チーム医療の中で薬剤師の最も重要な役割です。

 

がん薬物療法の有害反応の確認の重要さ

がん薬物療法の中心となる化学療法剤は、一般的に副作用も強く、

適切に使用しなければ致死的な有害反応を招くことも十分にあります。

 

がん患者さんの中には、高齢の方も大変多く、

糖尿病や高血圧、精神的心理的苦痛などの

合併がある患者さんも大変多い疾患です。

 

標準の治療として評価されている薬物療法でも、

全身状態が不良である患者さんによっては

有害反応だけが強く出現する事もあり、

十分な効果が発揮できない事も多いと思われますので、

患者さんに提供する薬物療法の有害反応をよく確認しながら、

患者さんがその薬物療法にどれだけ耐えうる事が可能なのかを

考えながら行わなくてはいけません。

 

更に、皮膚障害、脱毛などの有害反応のように

致死的な内容の有害反応ではない場合でも、

数多くの患者さんの中には、致死的なものではなくても

有害反応により精神的心理的なダメージを受けることも十分ありますので、

患者さんと有害反応の可能性をよく話し合い、

患者さんの理解を得ながら治療を選択することも大切になります。

 

がん薬物療法の併用薬剤の影響にも考慮すべき

がん患者さんが合併する疾患の薬物療法の中には、

がん薬物療法と相性が良くないものもあります。

 

たとえば、精神的、心理的苦痛の緩和治療として、

抗うつ薬や精神安定剤などの中には、

薬物代謝酵素である《チトクロムP450》の活性を阻害してしまうものもありますし、

反対に誘導する作用がある薬剤もあります。

 

乳がんのホルモン療法に使用される抗エストロゲン薬の“タモキシフェン”は、

チトクロムP450の一種であるCYP2D6などにより代謝を受けて、

“エンドキシフェン”などの活性代謝物に変換される事によって

効果を発揮すると考えられていますので、

CYP2D6の活性が低下している時や

CYP2D6を阻害する薬剤を併用して使用している場合では、

タモキシフェンの効果は発揮されにくくなります。

 

また、近年話題になっている低分子の分子標的治療薬の多くには、

チトクロムP450の一種である《CYP3A4》により

代謝されることが知られていますので、

CYP3A4阻害薬の併用により有害反応が強くでてしまったり、

CYP3A4誘導剤の併用により

効果が減少されたりする可能性が指摘されています。

 

すなわち、薬剤師はがん薬物療法と併用する

薬剤との薬物の相互作用をしっかり考えて、

併用する薬剤の変更などを考えることが必要であり大切な事になります。

 

つまり、がん患者さんの合併症や現在使用している薬剤との

薬物の相互作用をしっかり把握していなければ、

標準の治療であっても、その患者さんにとって

適切ながん薬物療法の提供は困難になる可能性もあるのです。

 

がん専門薬剤師などに求められる知識とは

薬剤師は、がんの薬物療法な専門的な知識だけではなく、

一般的な薬剤に関する豊富な薬理学的知識や

合併症の病態の理解が基盤となっている事が、

大前提として求められるという事です。

 

それらの基本的な知識や経験のもと、がんの病態や

標準的がん薬物療法、薬物療法の作用機序や

薬物動態などの薬理学的知識、

そしてその薬理学的作用を意識したがんの治療薬における

副作用対策の知識が備わってやっと、

がん専門薬剤師や、がん薬物療法認定薬剤師としての

使命が発揮できる事となるのです。

 

そして、そのような知識を活かし業務にとりかかる事は、

患者さんを支えるという薬剤師の人間性もまた、

とても大切なことなのです。

 

患者を支えつづける薬剤師!

がん治療の中には患者さんに提供した治療において

期待する効果が認められないこともあります。

 

腫瘍増悪や耐えられない有害反応が起こる事もあります。

 

次の案として治療法なども患者さんに説明して安心してもらって

その治療を受けられるように心を支えることも必要になります。

 

治療中にがん疼痛などの症状で

辛い思いをされる患者さんもいます。

 

症状緩和の薬物療法も、

がんの薬物療法の一つといえます。

 

薬剤師はがん治療専門の薬剤師であり、

緩和ケア薬剤師でもあるのです。

 

がん治療はもちろんですが緩和ケアの薬物療法に責任をもって、

患者さんの意向にあったその患者さんに最も適した薬物療法を提供して、

その効果、有害反応を観察することが薬剤師に求められているのです。



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